胡蝶蘭の花が終わったら|二度咲きの切り方と株を休ませる育て方

花が終わった胡蝶蘭の花茎を二度咲きのため切る位置

お祝いでいただいた胡蝶蘭の花が、ひととおり咲き終わってしまった——そんなとき、「もう捨てるしかないのかな」と思っていませんか。実は胡蝶蘭はとても生命力の強い花で、咲き終わってもお手入れ次第で、もう一度花を咲かせたり、翌年に立派な花を楽しんだりできます。ものによっては10年以上生きることもある植物です。

花が終わったときの花茎の切り方は、目的によって2通りあります。同じシーズンのうちにもう一度花を見たいなら「二度咲き」を狙う切り方、来年に向けて株をしっかり休ませたいなら「根元から切る」切り方です。この記事では、どちらを選ぶかの判断から、具体的な切り方・その後の管理・植え替えまでを順に解説します。届いてすぐの飾り方・基本のお手入れは別記事にまとめています。

まず選ぶ:二度咲きを狙うか、株を休ませるか

花が終わったら、最初に「どちらを目指すか」を決めます。これによって花茎を切る位置が変わるからです。

二度咲きを狙うのは、同じシーズンのうちに、もう一度花を楽しみたい場合です。花茎に栄養が残っているうちに切ることで、残った節から新しい花芽が伸びます。ただし二度咲きは株の体力を使うので、もともと元気でしっかり育った株向きです。

株を休ませるのは、来年以降に毎年きれいな花を咲かせたい場合です。花茎を根元から切ると、株は花に使うはずだった栄養を蓄えられ、翌シーズンに立派な花を咲かせやすくなります。

お祝いでいただいたばかりの株や、葉や根に元気がない株は、無理に二度咲きを狙わず、根元から切って休ませるのがおすすめです。二度咲きを繰り返すと株が消耗し、かえって弱ってしまうことがあります。「今年もう一度」より「来年しっかり」を選んだほうが、長く楽しめる場合が多いのです。

【二度咲き】花茎の切り方

二度咲きを狙うときの切り方です。ポイントは「早めに切ること」と「節を残すこと」です。

切るタイミングは、花の3分の2ほどが咲き終わったころ。花が全部枯れて時間が経つと、花茎そのものが枯れてしまい、二度咲きが難しくなります。まだ花が少し残っているくらいの、早い段階で切るのがコツです。

切る位置は、株の根元から数えて2〜3節を残し、その節の上1〜2cmあたり。切り口は斜めにすると水が溜まりにくく、傷みを防げます。残した節の少し下から、新しい花芽が伸びてきます。

切る前のひと手間
ハサミやカッターは、火であぶるかアルコールで拭いて消毒してから使ってください。切り口から雑菌が入るのを防げます。また、花茎を支えていた支柱は、切り終えたら一度抜いておきましょう(二度咲きのときにまた使えるので、取っておくと便利です)。切り落とした花茎は、花が残っていれば切り花として花瓶で楽しめます。

【株を休ませる】花茎の切り方

来年に向けて株を休ませたい場合は、シンプルです。花が咲き終わったら、花茎を根元の近くから切り落とします。こうすると、株は花茎に栄養を送り続ける必要がなくなり、その分のエネルギーを株自身に蓄えられます。結果として、翌シーズンに元気な花を咲かせやすくなります。

このときも、道具は清潔なものを使ってください。根元から切る方法は、二度咲きのように「いつ切るか」を気にしすぎる必要がなく、花が終わったタイミングで落ち着いて作業できます。迷ったら、株を休ませるこちらの方法のほうが失敗が少なく安心です。

二度咲きを成功させる管理のコツ

花茎を切ったあとの管理は、基本的に普段と変えなくて構いません。胡蝶蘭が花芽をつけるかどうかは、何より温度にかかっています。

胡蝶蘭が好む温度は18〜25℃。10℃を下回ったり35℃を超えたりすると生育が止まります。さらに、一定期間18℃前後の涼しさにあたることが、花芽をつけるスイッチになります。エアコンの風が直接当たらない、レースカーテン越しの窓辺のような、明るく風通しのよい場所がぴったりです。直射日光は葉が焼けるので避けてください。

水やりは、植え込み材(水苔)が8〜9割ほど乾いたのを確認してから、10日に1回ほど、コップ1杯程度を目安に。花芽が出るまではやや乾かし気味に管理します。

二度咲きでは、花茎を切ってからおよそ1〜2か月で新しい花芽が見え始め、開花まではさらに数か月かかります。ただし、これは株の元気さや環境しだいで、必ず咲くとは限りません。今シーズンに咲かなくても、株が元気なら翌年に花を咲かせることはよくあります。気長に待つくらいの気持ちで見守ってあげてください。

植え替えが必要なときと、その時期

花が終わったタイミングは、植え替えを考える良い機会でもあります。ただし、すべての株に植え替えが必要なわけではありません。1本立ちで根や植え込み材が健康なら、無理に植え替える必要はありません。

植え替えを考えたほうがよいのは、次のような場合です。

こんなとき対応
2年以上植え替えていない次の生育期(4〜6月)に植え替え
複数株の寄せ植えになっている株分けして1株ずつ別の鉢へ
植え込み材にカビ・傷みがある春を待たず早めに植え替え

植え替えの適期は4〜6月です。真夏や真冬は株に負担が大きいので避けます。気温が15℃を下回る時期は生育が止まるため、暖かくなるまで待つほうが安全です。植え込み材は水苔か、水はけのよいバークを使い、鉢は通気性のよい素焼き鉢が向いています。植え替え後は環境に慣れるまで2週間ほど成長が止まるので、その間は水やりを控えめにして見守ってください。

お祝いでいただいた胡蝶蘭の花が終わって、ダメ元で二度咲きに挑戦してみたんです。半年近くかかりましたが、また花が咲いてくれて本当に嬉しくて。捨てなくてよかったと思いました。

——東京都・個人のお客様(いただいた一鉢を育てて)

花茎を切る位置や時期、植え替えのことなど、お手入れで迷われたらお気軽にご相談ください。お祝いでいただいた大切な一鉢を長く楽しんでいただけるよう、専門店としてお手伝いします。

——胡蝶蘭専門店ギフトフラワー スタッフ 井上
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花後・二度咲きのよくある疑問

花が終わった胡蝶蘭は捨てるしかないのですか?

いいえ、捨てる必要はありません。胡蝶蘭は生命力が強く、花が咲き終わっても株自体は生きています。お手入れ次第で同じシーズンに二度咲きさせたり、翌年以降にまた花を咲かせたりできます。種類や株によっては10年以上楽しめることもあります。

花茎はどこで切ればいいですか?

目的によって2通りです。二度咲きを狙うなら、根元から2〜3節を残して節の上1〜2cmを斜めに切ります。株を休ませて翌年に備えるなら、花茎を根元の近くから切り落とします。どちらの場合も、道具は火やアルコールで消毒してから使ってください。

二度咲きはどれくらいで咲きますか?

花茎を切ってからおよそ1〜2か月で新しい花芽が見え始め、開花まではさらに数か月かかります。ただし株の元気さや環境によって変わり、必ず咲くとは限りません。今シーズンに咲かなくても、株が元気なら翌年に咲くことはよくあります。

植え替えはいつ、どんなときに必要ですか?

適期は4〜6月で、真夏・真冬は避けます。2年以上植え替えていない、複数株の寄せ植えになっている、植え込み材にカビや傷みがある、といった場合に植え替えを検討してください。1本立ちで根や植え込み材が健康なら、無理に植え替える必要はありません。